長文読解で「時間が足りない」を防ぐためには
長文読解
時間不足対策
長文で「時間が足りない」は、速読よりも「測って整理する」ことから
中学受験の国語で長文を解く時間が足りないとき、読む速度だけを上げようとすると、かえって読み直しが増えることがあります。
まずは読む/解く/見直しのどこに時間がかかっているかを測り、原因を整理することが大切です。
そのうえで、正確に読み取れる速さを保ちながら、時間配分を調整していきます。
最初に押さえる要点(迷ったらここへ戻る)
やることは2つ
- 読む時間と解く時間を分けて測る
- 内容を理解できるスピードを見つけて定着させる
改善が進みやすい状態
- 本番で焦りにくくなり、ミスが減りやすい
- 遅い原因が見えるので、練習が的外れになりにくい
まずは「測る→整理する」の順で、時間不足の原因を確かめましょう。
時間を測ってみる(長文の「内訳」を見える化)
長文は「読む」だけでなく、その後の「設問を解く」段階で時間がかかっていることもあります。
テストのときだけ時間を意識するのではなく、普段の演習から内訳を分けて記録しておくと、改善するポイントが見つけやすくなります。
| 測る項目 | 内容 | 記録例(分:秒) |
|---|---|---|
| 読む時間 | 本文を読み切るまでの時間(段落の要点を追いながら読む) | 07:30 |
| 解く時間 | 設問(選択・抜き出し・記述)を最後まで解く時間 | 10:40 |
| 見直し | 条件の確認・抜き出し範囲・記述の要素を確認する時間 | 01:00 |
※時間は記録方法を示すための例です。実際の所要時間は文章量や設問数によって異なります。
例えば「戻り読みが多い」「選択肢で悩む」「記述に時間がかかる」などです。
時間が短くなっても正答状況が悪化していれば、単純に改善したとは判断できません。
目標の時間配分を作る(計測結果を「改善計画」にする)
計測した結果をもとに、次回の時間配分を考えます。
確認するのは①現状の時間→②次回の目標→③時間がかかる原因の3点です。
目標を決める際は、試験の制限時間、文章量、設問数、本人の正答状況を踏まえます。
読む時間を短くすることだけを優先せず、正答状況を維持できる範囲で調整しましょう。
| 項目 | 現状(計測) | 目標(次回) | 差が出る理由(1行) |
|---|---|---|---|
| 読む | 07:30 | 06:45 | 段落ごとに考え込みすぎる/不要な読み直しが多い |
| 解く | 10:40 | 10:00 | 選択肢で悩む/根拠が曖昧なまま比較している |
| 見直し | 01:00 | 02:00 | 条件の読み落としがあるため、確認時間を確保する |
※表の数値は配分を考えるための仮の例であり、すべての受験生に推奨する時間ではありません。試験全体の制限時間と必要な得点を考慮して、個別に設定してください。
一度に大きく短縮しようとせず、少しずつ試して、正答状況と合わせて確認しましょう。
読むスピードを理解する(確実な速さを見つける)
長文で時間が足りないからといって、速く読めば解決するとは限りません。
反対に、細部を丁寧に読みすぎて、設問を解く時間が残らないこともあります。
大切なのは、内容を正確に理解できる速さで読み進めることです。
速すぎるサイン
- 内容がつかめず、同じ箇所を何度も読み直す
- 指示語(これ・それ)が何を指すか曖昧
- 理由を問われると説明できない
遅すぎるサイン
- 細部にこだわりすぎて先に進めない
- 段落の要点がまとめられないまま読んでいる
- 設問を解く時間が残りにくい
短時間でも回しやすい練習
- 物語文と説明文で読む時間を別々に測る
- 内容が分からず繰り返し読み直した箇所を記録する
- 次回の演習で、読み直しの回数や正答状況がどう変わるか確認する
設問の根拠を確認するために本文へ戻ること自体は、悪いことではありません。
減らしたいのは、内容を把握できずに同じ箇所を何度も探し直すことです。
物語文と説明文で時間のかかり方が違う場合もあるため、文章の種類ごとに傾向を確かめましょう。
時間が足りなくなる場所別:よくあるパターンと直し方
「時間が足りない」原因は一つとは限りません。
読む段階、設問を解く段階、記述を書く段階、見直しの段階に分けて考えると、どこを練習すべきか判断しやすくなります。
| 時間がかかる所 | よくある症状 | 原因のパターン | 1回の練習でやること |
|---|---|---|---|
| 読む | 不要な読み直しが多い/段落でつまずく | 要点がつかめず、設問で何度も探し直している | 接続語・指示語に注目し、段落のつながりを確認する |
| 解く(選択肢など) | 選択肢で悩む/根拠が決まらない | 本文の根拠位置が曖昧なまま比較している | 迷った選択肢について、本文の根拠箇所を確認してから比較する |
| 解く(記述) | 書き始めるまでに時間がかかる/文章が長くなり、まとまらない | 必要な材料を整理せず、書きながら考えている | 練習例として、材料を3点まで整理→短文2つ→必要に応じて接続語でつなぐ |
| 見直し | 時間が残らない/条件の見落としが多い | 最後にチェックする項目が決まっていない | 設問の条件・要求・抜き出し範囲を優先して確認する |
※選択肢の根拠確認は、すべての選択肢に毎回メモを取るという意味ではありません。また、記述の材料数や文章構成は、設問の条件・字数に合わせて調整してください。
必要な根拠確認は残しながら、不要な読み直しを減らすことが時間不足の改善につながります。
1週間で回す練習メニュー(短時間でズレを直す)
家庭で取り組む場合の7日分の練習例です。
毎日続けて実施する必要はありません。家庭学習の予定に合わせて進め、計測と対策を繰り返してみましょう。
- Day1:物語文の時間と正答状況を記録
- Day2:説明文でも計測し、違いを確認
- Day3:不要な戻り読みを減らす練習
- Day4:選択肢の根拠を確認する練習
- Day5:記述の材料を整理する練習
- Day6:苦手な項目を一つ選んで練習
- Day7:本番を想定して通し演習を行い、時間と正答状況を確認
家庭学習用:時間計測チェック表
演習ごとに時間とつまずいた箇所を記録するための表です。
メモ欄には正答数や間違えた問題も残し、次回の結果と比較しましょう。
| 日付 | 文章(物語/説明) | 読む | 解く | 見直し | メモ(正答状況・つまずいた所) |
|---|---|---|---|---|---|
| / | 物語 | 分:秒 | 分:秒 | 分:秒 | 正答:問/問、不要な読み直し・記述など |
| / | 説明 | 分:秒 | 分:秒 | 分:秒 | 正答:問/問、接続語・根拠探しなど |
※表は必要に応じてノートなどに写して使えます。正答状況を比較するときは、問題の難易度が異なることにも注意してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 読むのが遅いので、とにかく速く読めばいい?
速さだけを優先すると、理解が不十分になり、読み直しが増えることがあります。正答状況を確認しながら、無理のない速さを探しましょう。
Q2. 解く時間が長いのはどうして?
本文の根拠が曖昧なまま選択肢を比較している可能性があります。迷った問題では、根拠となる箇所を確認しましょう。
Q3. 見直しの時間が取れません。
すべてを見直そうとせず、設問の条件、抜き出し範囲、記述の要素漏れを優先して確認しましょう。
Q4. 物語文は間に合うのに説明文だけ時間切れです。
物語文と説明文で時間を別々に測りましょう。説明文では、接続語による論理のつながりや、原因と結果、言い換えの関係を意識すると、どこで時間がかかっているか整理しやすくなります。


